屋根・外壁のカバー工法とは、既存の屋根材・外壁材を壊さず、その上から新しい建材を重ねる工法のことです。この記事では施工の種類や、費用相場、後悔しない選び方などを解説しています。

中古住宅の外まわり、リフォームはどうする?

「屋根や外壁も気になるけど、大がかりな工事は避けたい…」
家のリフォームは、費用や工事期間など、気になることが多くありますよね。
前回の「壊さないリフォーム」の記事では、窓のカバー工法について紹介しました。
今回は、家の外まわり全体に関わる屋根・外壁のカバー工法について解説します。
屋根や外壁は劣化していても、見た目だけでは判断がつきにくいものです。
そのため、リフォームのタイミングを逃してしまう方も少なくありません。
壁を壊さずに済む「壊さないリフォーム」の考え方は、屋根・外壁にも応用されています。
今回はその仕組みと費用について詳しく解説します。
屋根・外壁のカバー工法とは?

屋根・外壁のカバー工法とは、今ある屋根材や外壁材を撤去せず、その上から新しい建材を重ねていく施工方法です。
従来の葺き替えや張り替えでは、既存の建材を一度撤去してから新しいものを取り付けるのが一般的でした。
カバー工法はこの「撤去」の工程を省きます。
その結果、廃材処分費や工期を抑えながら、屋根・外壁をアップグレードできます。
屋根・外壁のカバー工法が選ばれる3つの理由

屋根・外壁のカバー工法が選ばれる理由は主に3つあります。
① 廃材処分費がかからない
既存の屋根材・外壁材を撤去しないため、解体費用や廃材処分費がほとんどかかりません。
工事費の内訳がシンプルになり、総額も把握しやすくなります。
② 工期を短縮できる
撤去工程がない分、工期を大幅に短縮できます。
天候による工期の遅れも受けにくいのが特徴です。
③ 断熱性能も同時に向上できる
新しい建材を重ねるため、既存の断熱性能に上乗せする形で性能を高められます。
見た目を一新しながら、住まいの快適性も同時に向上させられます。
屋根のカバー工法、どんな種類がある?

屋根のカバー工法は、重ね葺き(かさねぶき)とも呼ばれます。
ここでは、屋根のカバー工法の種類を少し紹介します。
① 金属屋根による重ね葺き(ガルバリウム鋼板など)
既存の屋根材の上に、軽量な金属屋根材を重ねて設置する方法です。
屋根全体の重量増加を抑えられるため、耐震性への影響も少なく済みます。
カバー工法の中でも最も採用されることが多い選択肢です。
② 石粒付き鋼板屋根
金属屋根の表面に石粒をコーティングした屋根材です。
金属特有の質感を抑え、瓦のような重厚感のある見た目に仕上げられるのが特徴です。
デザイン性を重視したい方によく選ばれています。
リーズナブルで大がかりな工事を必要としないカバー工法ですが、屋根の状態によっては適用できないケースもあります。
屋根のカバー工法が使えないケースに注意

前述したように、カバー工法はすべての屋根に適用できるわけではありません。
とくに、瓦屋根のような凹凸が大きい場合などは、カバー工法が難しいでしょう。
また、既存の屋根材や下地が著しく劣化している場合も、そのまま重ねると不具合につながるおそれがあります。
事前に既存の屋根材の種類や状態を確認することが重要です。
外壁のカバー工法、どんな種類がある?

外壁のカバー工法は、サイディングの重ね張りが代表的です。
重ね張りに使われる外壁材にはいくつか種類があり、求める性能やデザインによって選び方が変わります。
① 金属サイディング
既存の外壁の上に、軽量な金属サイディングを重ねて張る方法です。
軽量なため既存の外壁への負担が少なく、断熱性能を高めた製品も多く展開されています。
デザインやカラーバリエーションが豊富で、外観のイメージを大きく変えられます。
② 樹脂サイディング
塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材です。
耐水性・耐凍害性に優れ、色あせしにくいのが特徴です。
金属サイディングに比べて軽量で、メンテナンスの手間を抑えたい場合に選ばれます。
屋根・外壁のカバー工法で後悔しないためのポイント

カバー工法は手軽な反面、下地の状態を確認せずに施工すると、内部で劣化が進行するリスクがあります。
例えば、内部の防水シートがすでに劣化していたケースでは、上から新しい外壁材を重ねたことで雨水の侵入に気づくのが遅れ、結果的に内部の腐食が進んでしまう場合などです。
見た目だけでは分からない下地の傷みは、専門家による調査でしか判断できません。
施工前には必ず現地調査を受け、下地の状態を確認したうえで工法を選ぶことが大切です。
また、外壁カバー工法にはLIXILをはじめ複数のメーカーが製品を展開しています。
素材(金属・樹脂など)や断熱性能、保証内容はメーカーによって異なるため、価格の安さだけで選ぶと後悔につながることもあります。
例えば「初期費用を抑えたくて一番安いプランを選んだところ、断熱性能が期待より低く、結局あとから内窓を追加することになった」というケースも珍しくありません。
迷ったときは、自宅の築年数と、あと何年住む予定かを基準に考えると選びやすくなります。
- 築30年超・今後10年以内に建て替えや大規模リフォームを予定なら、標準グレードでコストを抑える
- 築10〜15年・今後20年以上住み続ける予定なら、初期費用が高くても高断熱素材を選ぶ(光熱費削減で元が取れやすい)
- メンテナンスに手間をかけられない、遠方に住んでいるなら、保証年数とアフターサービスの体制を優先する
自宅の状況に近いものを参考に、優先順位をつけることが失敗しないポイントです。
屋根・外壁のカバー工法の費用相場

費用は施工範囲や建材のグレードによって幅があります。
以下はあくまで目安です。
【屋根・外壁カバー工法の費用目安】
| 施工箇所 |
目安費用 |
| 屋根のカバー工法(30坪程度) |
80万円程度〜 |
| 外壁のカバー工法(30坪程度) |
150万円程度〜 |
【劣化しやすい箇所とリフォーム時期早見表】
既存の屋根材・外壁材を解体・撤去する「葺き替え」「張り替え」と比べると、その処分費用がかからない分、同じ箇所でも数十万円ほど費用を抑えられることが多いようです。
一方で、外壁塗装のような表面のメンテナンスと比べると、カバー工法は建材そのものを新しくする分、初期費用は高くなります。
ただし外壁材自体が劣化している場合は、塗装では根本的な改善にならないこともあるため、状態に応じてどちらが適しているかを見極めることが大切です。
屋根・外壁のカバー工法が向いているケース・向いていないケース

屋根・外壁のカバー工法は万能な工法ではありません。自宅の状態によって、向き不向きがはっきり分かれます。
OKパターン(カバー工法が向いているケース)
- 下地や既存の屋根材・外壁材が大きく劣化していない
- 費用と工期をできるだけ抑えたい
- 工事中の生活への影響を最小限にしたい
- 外観を短期間で一新したい
NGパターン(従来工法が必要になるケース)
- 下地が著しく劣化している(野地板の腐食など)
- すでに雨漏りが発生している(カバーしても根本解決にならないため)
- 瓦屋根のように凹凸が大きく、形状上カバーが難しい
- 既存の建材の重量がすでに大きく、これ以上重ねると建物への負担が大きい
自分がどちらのパターンに近いかは、見た目だけでは正確に判断できません。実際に使えるかどうかは建物の状態によって変わるため、まずは現地調査を受けることをおすすめします。
屋根・外壁のリフォームもTORABURANへ
屋根・外壁のカバー工法は、廃材処分費を抑えながら工期を短縮できる工法です。前回ご紹介した窓のカバー工法と組み合わせることで、家全体を効率よくアップグレードすることもできます。TORABURANでは、カバー工法を含めたリフォームのご相談を承っています。ご自宅で使えるかどうか分からない段階でも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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