
台風の翌日、部屋が雨漏りしているから1度見に来て欲しい。と賃貸オーナー様よりご連絡頂きました
お伺いし現場調査させて頂きましたが、お部屋のいたるところの天井より雨漏りがしている上、天井やクロスが剥がれ落ちるという被害に遭われていました
お住まいの方にお怪我はなかったようですが、家財道具なども濡れてしまっていました
天井上を調べてみると、屋根と屋根の境目の部分より雨漏りしているのが分かります
屋根に上り見てみると増築させている建物でしたので、
屋根と屋根の境目の部分が台風の風により瓦が剥がれてしまっていました
この建物は、高台にあり被害に遭った屋根は山からの風が強く当たる場所でしたので、
このような被害になったと考えられます
オーナー様と相談させて頂き屋根瓦の葺き替え(ふきかえ)を行う事になりました
葺き替えとは、すでに葺かれている屋根材を撤去して新しいものに替えることで
今回は、ガルバリウム鋼板屋根に交換させて頂きます
屋根の修繕を行う為に足場を設置します
既存の瓦を1枚1枚手作業で撤去していきます
瓦の下には葺き土という土があり
土の重さを利用して屋根瓦を葺く工事の方法が採用されていることが多いです
瓦を撤去した状態です
境目部分が、雨漏りの原因箇所となります
瓦を撤去したら、順に葺き土も撤去していきます。
1日では終わらない作業ですので、
その日の終了の際はブルーシートを張り雨養生をしておきます
次の日、ブルーシートを撤去し続きの作業に入ります
撤去した葺き土は袋に小分けして屋根から下します
葺き土を撤去したら瓦を引掛けるために
屋根に設置している桟木(さんぎ)という細長い木を撤去します
桟木の更に下には防水紙が貼られていますが
年季が入り破れたり劣化している部分があった為
剥せるところは剥しておきます
今回は住人の方が生活している状態での
修繕工事ですので既存の野地板は剥さず、既存の上から垂木(たるき)を設置しました
垂木を設置したら野地板を設置しビスで止めていきます
防水として大きな機能を果たすルーフィング(ルーフィングシート)とは、
屋根材の下に敷く防水シートのことです
屋根下葺き材とも言うようです
今回は、日新工業(株)のカッパ23という改質アスファルトを使用した
ルーフィングに合成繊維不織布をラミネートした
高耐久の屋根下葺材を使用しました
屋根の雨仕舞で防ぎきれなかった雨や水をこれより下に侵入させずに流し出す為に敷く建材です
ルーフィングを使用しなかったり雑に施工した場合、雨漏りや野地板の腐食の危険性がとても高まりますので
丁寧に設置していきます
台風被害に遭った箇所は鋼板をサイズにカットし補修します
ルーフィングの設置の後、ガルバリウム鋼板を貼ってい行きます
ガルバリウム鋼板カバー工法で簡単に工事ができ軽量であるため
耐久性・耐震性に優れ、豊富なデザインで和風の家にも洋風の家にも
よく使われる建材です
雨仕舞いと言われる水切金具を設置します
棟包み屋根・棟板金とも言います
屋根の棟に設置し横から笠木に釘打ちで固定して釘頭
隙間から雨水が浸入してこないようにシーリング材を充填し防水します
雨仕舞いは雨水の侵入を防ぐだけでなく、
雨水が侵入した際に速やかに雨水を外部に流出させる仕組みになっています
ガルバリウム鋼板はトタンとは全くことなり非常にさびにくく、
かつ物理的な強度も高い建材です
色や形のデザインが豊富で、外見も優れていることが特徴です
ガルバリウム鋼板は金属であるため断熱性・防音性は低いのですが、
断熱材を組み合わせて性能を向上させている製品もあり、
近年急速に普及が進んでいます
特に特筆すべきポイントは軽量であることで、耐震性の観点で有利であり軽く施工性が優れている建材です
破損個所部分は、増築により生じた屋根と屋根との重なり合う部分で
「取り合い」と呼ばれる違う部材同士が結合される部分です
雨漏りが一番起こりやすい部分と言われています
台風被害は、ご加入されている火災保険で補償される場合があります
火災保険は、火災だけでなくさまざまな災害による損害をカバーしてくれます
台風の場合でも、以下の3つの補償をつけてさえいれば、それぞれがカバーする範囲を補償してもらうことが可能です
そほとんどの場合 これらは基本の補償内容に含まれています
どの補償が適用されるかは被害の内容によって異なりますので、先ずはご相談下さい
事前の対策が何より重要ですが、台風の影響で外壁・屋根・雨漏り・内装等お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください
台風の影響がなかった場合も長い間、住宅のメンテナンスを行っていない方は是非この機会にご連絡ください。お待ちしております